Q. 東京23区の供養ガイド｜お墓・永代供養・樹木葬・散骨・お墓じまいの選び方

東京23区の供養事情の全体像

東京23区は、オフィス街・繁華街・住宅街が密集した大都市エリアで、マンションや集合住宅に住む人が多い地域です。仕事や育児で忙しい世帯も多く、「頻繁にお参りに行くことがむずかしい」「車を持たない生活をしている」といった事情から、供養の形にも“通いやすさ”や“維持のしやすさ”が強く求められています。

伝統的な「家族のお墓」を守る方もいますが、23区内は土地が限られているため、新たに一般墓の区画を確保することが簡単ではありません。そのため、永代供養墓や納骨堂、合同墓、樹木葬など「跡継ぎを前提としない供養」や、「駅から近く、天候に左右されない供養」が選ばれやすい傾向があります。

また、実家のお墓が地方にあり、東京23区で暮らす子世代・孫世代が「今後も通い続けられるか不安」と感じるケースも増えています。このような背景から、お墓じまいや改葬を検討し、都内や近隣の永代供養墓・納骨堂・樹木葬へ移す動きも目立つようになっています。

東京23区のお墓・墓地の特徴

東京23区のお墓・墓地は、区営・都立などの公営墓地、寺院墓地、民間霊園が限られた土地の中に点在しているのが特徴です。地下鉄や私鉄、バス路線が発達しているため、「駅やバス停から歩いて行けるかどうか」が特に重視されます。一方で、車でのアクセスを前提とした広い霊園は、23区内よりも多摩地域や近隣県に多くなります。

公営墓地は費用を抑えやすいことから人気がありますが、募集は不定期で、応募倍率が高くなることも少なくありません。そのため、一般墓の新区画を希望していてもなかなか当選せず、永代供養墓や納骨堂、樹木葬など別の選択肢を検討するご家庭も増えています。

東京23区で選べる主なお墓の種類

• 一般墓（家族墓）：石碑を建てて家族や先祖を祀る、もっとも伝統的なお墓の形です。区営・都立・寺院・民間霊園などが候補になります。
• 永代供養墓：寺院や霊園が、継承者に代わって永代に供養・管理してくれるお墓です。合祀型・個別型など、納骨の形はさまざまです。
• 納骨堂・屋内墓所：ビル内や屋内施設に納骨するタイプで、カードやICをかざして参拝できる自動式などもあります。雨の日でも参拝しやすく、23区ならではのスタイルです。
• 樹木葬：墓石の代わりに樹木や草花をシンボルとするお墓です。23区内では限られますが、近郊エリアまで視野を広げると、選択肢が増えてきます。
• 合葬墓・合同供養塔：1つの大きなお墓に、多くの方のご遺骨を一緒に納めるタイプです。費用負担を抑えたい方や、継承を前提としない方に選ばれています。

東京23区でお墓を選ぶときのポイント

• アクセス（通いやすさ）：電車・バスで通う前提になることが多いため、最寄り駅からの距離やバス本数、坂道の有無などを確認しましょう。
• 継承者の有無：将来お墓を守る人がいるかどうかで、一般墓を選ぶか、永代供養墓・納骨堂・樹木葬などを優先するかが変わります。
• 費用：永代使用料・管理費・法要の費用など、長期的な負担を見通しながら比較することが大切です。
• 宗派・菩提寺との関係：菩提寺がある場合は、そのお寺との関係をどうするか、お墓を移す場合の了承が必要かを確認しておきましょう。
• 東京都全体でのバランス：23区内で希望通りの区画が見つからない場合、多摩地域や近隣県も含めて検討すると選択肢が広がります。

東京23区で増えている永代供養・樹木葬

東京23区では、少子高齢化や核家族化、単身世帯の増加などの影響もあり、「お墓を継ぐ人がいない」「子どもに負担をかけたくない」という理由から、永代供養墓や樹木葬を選ぶ人が増えています。特に、仕事や家事で忙しい現役世代にとって、掃除や管理の負担が少ないことは大きな安心材料です。

23区内では、駅近の寺院やビル内にある納骨堂型の永代供養が目立ちます。カード1枚で参拝できる自動搬送式や、落ち着いた雰囲気の堂内でお参りできるタイプなど、コンパクトかつ通いやすいスタイルが支持されています。一方、樹木葬については、23区内では少なくとも、東京都全体としてみれば多摩地域や近隣県の緑豊かな霊園が候補になることが多いです。

東京都は、23区と多摩地域が隣接しているという特徴があり、「住まいは東京23区だが、お墓は少し自然の多いところで」という選び方もしやすいエリアです。通いやすさと環境のバランスを考えながら、永代供養や樹木葬も含めて検討してみるのがおすすめです。

東京23区の散骨事情

「お墓を持たない供養」「自然に還るイメージの供養」を希望する方の中には、散骨を選ぶ人も増えています。東京23区に住む方の多くは、東京湾や相模湾などへの海洋散骨、あるいは関東近郊の山林・樹林への散骨プランを検討するケースが多いです。

最近では、全てを散骨するのではなく、一部を散骨し、残りを手元供養や小さなお墓、納骨堂などに納める組み合わせも一般的になりつつあります。これにより、「自然に還したい」という想いと、「身近な場所にも手を合わせる場所を残したい」という気持ちの両方を大切にすることができます。

散骨を行う際には、海や山のルール、自治体のガイドライン、近隣住民への配慮などを守ることが重要です。東京23区から出発する散骨クルーズや、法律面・マナーを丁寧に説明してくれる事業者を選ぶことで、安心して見送りができるでしょう。

東京23区で増えているお墓じまい・改葬

東京23区に住む方の中には、「実家のお墓が地方にあり、これから先も通い続けるのがむずかしい」「親の代までは通っていたが、自分たちの代では難しい」といった理由から、お墓じまいや改葬を検討する人が増えています。また、23区内や多摩地域など複数の場所にお墓が分散しているご家庭では、「どこか一か所にまとめたい」という声も多く聞かれます。

お墓じまいには、墓石の撤去工事、遺骨の取り出し、役所への改葬許可申請、新しい納骨先の決定など、いくつかのステップがあります。東京23区では、改葬先として、永代供養墓・納骨堂・樹木葬・合葬墓などを組み合わせて検討するケースが多く見られます。

また、改葬とあわせて「ご遺骨の一部を小さなお墓や手元供養に」「一部は地方のお墓にそのまま残す」など、完全に一か所へ集約しない選択肢もあります。家族の生活拠点や将来の引っ越しの可能性などをふまえ、「無理なく続けられる供養の形」を話し合うことが大切です。

東京23区のペット供養の傾向

東京23区では、ペットを家族の一員として迎えるご家庭が多く、ペット供養のニーズも高まっています。ペット専用霊園やペット火葬・葬儀を行う専門業者、ペット用納骨堂や合同供養塔など、都市部ならではのコンパクトな施設も増えています。

一方で、「自宅でいつも一緒にいたい」という想いから、小さな骨壺やフォトフレーム型のミニお墓、インテリアになじむペット用の小さなモニュメントなど、手元供養グッズを選ぶ方も多くなっています。近郊には樹木葬タイプのペット霊園もあり、自然の中で眠らせてあげたいという希望に応えるスタイルも選びやすくなっています。

ペット供養を考える際には、家族全員の気持ちや、住まいの広さ、将来の引っ越しの可能性などをふまえて、「どこに、どのような形で残してあげるのがいちばん安心か」を話し合って決めることが大切です。

東京23区周辺の地域ガイド（同じ都道府県内）

東京23区での供養を検討しながら、「もう少し自然の多い場所も見てみたい」「都心と郊外の中間くらいの雰囲気が良い」という方は、同じ東京都内の他エリアもチェックしてみると選択肢が広がります。

• 八王子市の供養ガイド：自然豊かな環境と郊外型の霊園・樹木葬が視野に入り、ゆったりとした雰囲気で供養したい方向けの情報をまとめています。
• 町田市の供養ガイド：東京都と神奈川県の境目に位置し、都心アクセスと落ち着いた住環境のバランスを重視した供養先選びに役立つガイドです。

近隣都道府県の供養ガイド

東京23区からは、電車や車で近隣の県へアクセスしやすく、「都内から通える範囲でお墓や樹木葬を探したい」というニーズも多く見られます。費用や環境の選択肢を広げるために、近隣都道府県の情報も参考にしてみてください。

• 神奈川県の供養ガイド：海沿いのエリアや都市部・郊外がバランスよく揃い、海洋散骨や郊外型霊園、樹木葬など多彩な供養スタイルが選べる地域です。
• 埼玉県の供養ガイド：都心からのアクセスが良く、比較的ゆとりのある区画や緑の多い霊園が選びやすいことから、「落ち着いた環境で供養したい」方に人気があります。
• 千葉県の供養ガイド：沿岸部から内陸部まで自然が豊かで、海洋散骨・郊外霊園・樹木葬など、自然を身近に感じられる供養先が多い地域です。