Q. 【手続き】エンディングノートの書き方は?
A. 答え:基本情報から医療、財産まで、書ける項目から少しずつ記していきます。
すべての項目を一度に埋める必要はなく、書きやすい項目や決まっている項目から少しずつ書き進めることで、法的効力はないものの、家族の負担を軽減する意思表示として十分に機能します。
状況
高齢の親をもつ子どもや自身の終活を意識し始めた方が、万が一の事態に備えてエンディングノートを購入したものの、どの項目から手を付ければ良いのか分からず、記入途中で手が止まってしまう場面は少なくありません。残された家族が困らないように意思を書き残したいという目的はあるものの、具体的な手順や表現に迷い、ノートを開いたまま判断停止状態に陥る方が多く存在します。
背景・基本的な考え方
エンディングノートは、自身に万が一のことがあった際に、家族が迷わず手続きや決断を行えるようにするための備忘録です。法的効力を持つ遺言書とは異なり、形式に厳格な決まりがないため、いつでも自由に書き直しができる特徴を持っています。そのため、完璧を目指して構えるのではなく、家族が判断を迫られる可能性が高い項目から優先的に意思を言語化し、共有しておくという考え方が基本となります。
判断基準
エンディングノートの書き進め方は、「現在における本人の健康状態と緊急性の高さ」によって決まります。急な入院や認知症の発症に備えたい場合は医療・介護の希望を優先し、死後の手続き負担を減らしたい場合は資産情報や葬儀の要望を優先的な判断の軸として選択します。
具体的な選択肢
- 基本情報と連絡先の整理 自身の氏名、生年月日、本籍地などの基本情報に加え、親戚や友人、知人の連絡先を一覧にします。
- 医療・介護に関する要望の記入 病気になった際の告知の有無、延命治療の希望、介護が必要になった際に希望する施設などの意思を明確にします。
- 葬儀・供養(お墓)の希望の記入 希望する葬儀の規模、宗派、埋葬方法(一般墓、樹木葬、散骨など)についての具体的な要望を書き残します。
- 財産・資産情報の暗記と記録 銀行口座の預金情報、クレジットカード、生命保険、不動産などの資産状況を、家族が確認できるように整理します。
手順・流れ
- ステップ1:書きやすい基本情報の記入と連絡先のリストアップ 自身のプロフィールや、緊急時に家族から連絡してほしい親族・友人の氏名と電話番号をノートに書き写します。
- ステップ2:医療や介護における延命治療などの意思表示 認知症などで自身の意思が伝えられなくなった場合に備え、延命治療の有無や尊厳死に関する希望を記入します。
- ステップ3:葬儀の形式や希望する供養方法の指定 葬儀に呼びたい人の範囲や、希望する納骨先(先祖代々の墓、特定の霊園など)の名称を具体的に記録します。
- ステップ4:通帳の保管場所や契約している保険情報の明記 家族が遺品整理や手続きで困らないよう、所有している口座や保険証券の有無、自動引き落としの情報を書き出します。
- ステップ5:保管場所の家族への共有と定期的な見直し 書き終えたノートの保管場所を信頼できる家族に伝え、年に1回などの頻度で内容に変更がないか確認します。
費用の目安
| 供養方法 | 費用 | 期間 | 持ち物 |
| 市販のエンディングノート利用 | 1,000円〜3,000円 | 1日〜1ヶ月 | 筆記用具・各種資産の控え |
| 自作のノート・ルーズリーフ利用 | 100円〜500円 | 1日〜1ヶ月 | 市販のノート・筆記用具 |
| 自治体配布の無料配布版利用 | 0円 | 1日〜1ヶ月 | 役所で配布された冊子・筆記用具 |
地域・宗派の違い
お墓や葬儀の項目を記入する際、地域によっては独自の葬送文化(前火葬と後火葬の違いなど)や、親族間での宗派へのこだわりが強く残っている場合があります。特に特定の菩提寺がある場合は、地域の慣習や宗派のしきたりを無視した書き置きをすると、死後の納骨時にトラブルに発展することがあるため、実家の宗派を事前に確認して記入することが重要です。
注意点
- 重要な口座の暗証番号やクレジットカードのパスワードをそのまま記入すると、ノートの紛失時に不正利用されるリスクがあります。
- 法的効力を持つ遺言書と同等の効果があると思い込んでいると、財産分与について書き残しても親族間で遺産相続トラブルを防げない場合があります。
- ノートに希望を記入しただけで家族にその存在や保管場所を伝えていないと、万が一の際に発見されず意思が反映されない結果になります。
このような方に向いています
- 万が一の時に残された家族の手続き負担や心理的負担を少しでも減らしたい方
- 遺言書を作成するほどではないが、自身の葬儀や供養の希望を形にしておきたい方
- これまでの人生を振り返りながら、今後の医療や介護の受け方を整理したい方
よくある誤解
エンディングノートは高齢になってから書くものと思われがちですが、実際には若い世代や健康な方であっても、事故や急病などの突然のトラブルに備えて記入を始めるケースが増えています。また、一度書いたら変更できないと思われがちですが、心境の変化や状況の変化に合わせて何度でも自由に書き直して問題ありません。
次の行動
① 自身の預貯金口座や加入している生命保険の名称を、手元のメモに箇条書きで洗い出す
② ノートの最初のページにある名前や生年月日などの基本情報から、まずは1項目記入してみる
③ ノートの存在と「どこに保管してあるか」を、同居している家族や信頼できる親族へ口頭で伝える
エンディングノートの書き方や、それに伴う葬儀・お墓の希望の整理方法は人によって様々です。
「何から書けばいいか分からない」
「家族にどう伝えればいいか迷う」
お悩みの場合は、状況整理から相談可能です。
迷ったら、まずはお気軽にご相談ください。
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