Q. 介護費用はいくら必要?在宅・施設別の目安と備え方を解説
答え
介護費用は在宅で月約5万円、施設で月約12〜14万円が目安となり、平均4〜5年続くことを前提に貯蓄や保険で備える必要があります。
1. 背景・基本的な考え方
介護費用には、介護サービスの自己負担(訪問介護・デイサービスなど)、おむつ代や医療費などの生活関連費、介護ベッド購入や住宅改修などの一時的な費用が含まれます。
公益財団法人生命保険文化センターの調査では、介護の一時費用は平均約47万円、月々の費用は平均約9万円と示されています。また、在宅介護の月額費用は平均約5万円、施設介護は約13万円とされており、介護を行った場所によって負担が大きく変わります。(公益財団法人 生命保険文化センター)
日本では公的介護保険制度により費用の1〜3割を自己負担する仕組みですが、要介護度や利用サービスの種類、収入、選ぶ施設によって実際の負担は大きく異なります。制度の詳細や最新情報は、市区町村窓口や地域包括支援センターなど専門機関への確認を推奨します。
2. 手順・流れ(ある場合)
- 家族で介護の方針を話し合い、在宅介護と施設介護のどちらを中心に考えるかを整理します。
- 市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談し、要介護認定を申請して介護度を把握します。
- ケアマネジャーと相談し、在宅介護か施設介護かを踏まえたケアプランと月額費用の試算を行います。
- 在宅介護の場合は、住宅改修や介護用品の購入、訪問介護やデイサービスの利用頻度などを決めて具体的な予算を組みます。
- 施設介護を検討する場合は、公的施設と民間施設を複数見学し、入居一時金と月額費用、医療体制を比較検討します。(みんなの介護)
- 手持ちの貯蓄や年金、介護保険・医療保険の給付内容を確認し、不足分をどう補うか金融機関や専門家に相談します。
- 介護状態や収入状況は変化するため、年1回程度を目安にケアプランと費用を見直します。
医療的ケアが必要な場合や認知症への専門的対応が必要な場合は、必ず主治医や専門機関に確認することを推奨します。
3. 費用・期間・持ち物の目安
| 項目 | 内容 | 相場・目安 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 介護ベッド・車いす購入、住宅改修など一時的な支出 | 30〜70万円程度(調査平均は約47万円)(公益財団法人 生命保険文化センター) |
| 在宅介護の月額費用 | 訪問介護、デイサービス、介護用品、医療費などの自己負担 | 5〜6万円程度(生活費を除く)(公益財団法人 生命保険文化センター) |
| 施設介護の月額費用 | 介護付き有料老人ホームや特養などの居住費・食費・介護サービス | 12〜14万円程度(自己負担)。公的施設5〜15万円、民間施設15〜30万円程度。(イオン銀行) |
| 介護期間 | 介護開始から終了までの平均期間 | 約4〜5年(平均約55か月)(イオン銀行) |
| 持ち物 | 介護保険被保険者証、健康保険証、本人確認書類、印鑑、服薬情報、お薬手帳など | 利用する事業所・施設によって異なる |
- 実際の金額は、地域や事業者、要介護度、選ぶ施設の種類によって大きく異なります。
- 介護費用の総額は、上記の初期費用と月額費用に介護期間を掛け合わせ、500万円前後になるケースも多いため、中長期の見通しで備えることが重要です。(MUFG銀行)
4. 地域・宗派による違い
- 地域差:介護保険サービスの利用料や施設の自己負担額は地域によって差があります。特に施設介護の居住費や人件費は都市部ほど高い傾向があり、同じ要介護度でも市区町村によって支給限度額の使い方やサービス単価が変わります。(厚生労働省)
- 宗派差:介護サービス自体の内容は宗派によって差がありますとは言えませんが、看取り後の葬儀や法要の準備、施設内での宗教的行事などは宗派によって作法や儀礼内容が異なります。宗教的な配慮が必要な場合は、あらかじめ寺院や施設側に希望を伝えておくことが望ましいです。
不明点は寺院・霊園・自治体・専門機関への確認を推奨します。
5. 注意点とまとめ
介護費用は、在宅か施設か、要介護度、利用するサービスの組み合わせによって大きく変化し、途中で方針を変更する可能性もあります。そのため、最初から金額を固定的に考えるのではなく、幅を持たせて想定することが重要です。
公的介護保険や高額介護サービス費、医療費控除などの制度を活用すると負担を軽減できる場合がありますが、適用条件や手続きは複雑になることがあります。手続きや最新の制度内容については、必ず自治体窓口や社会福祉士、ファイナンシャルプランナーなど専門機関に確認してください。
早めに在宅と施設の両方の費用イメージを持ち、家族で方針を共有しながら準備することで、いざという時の心理的・経済的な負担を小さくできます。
6. 次の行動
- 家族で在宅介護と施設介護の希望や予算を話し合い、優先順位を整理する。
- 市区町村の介護保険窓口や地域包括支援センターに相談し、要介護認定や利用できる制度を確認する。
- 在宅介護サービス事業所や介護施設を複数見学し、月額費用と初期費用、医療体制を比較したうえで、貯蓄や保険の見直しを含めた資金計画を作成する。
迷ったら、まずはお気軽にご相談ください。無料相談はこちら
おすすめ葬儀ガイド