Q. 手元供養は他人に譲れる？所有権と扱いの注意点を解説

答え

手元供養の品や遺骨を他人に譲ること自体は法律で一律に禁じられてはいませんが、相続人全員の合意、宗教的配慮、業者規約の確認を行って慎重に対応することが重要です。

1. 背景・基本的な考え方

手元供養とは、遺骨や遺灰をペンダントやミニ骨壺などの形で自宅に置いて供養する方法を指します。従来の墓石による供養に比べて、身近に故人を感じられる形として利用が広がっています。

遺骨は法律上の扱いが特殊であり、通常の物品と同じように売買や処分をしてよいとは考えられていません。相続の場面では、遺骨や位牌などは「祭祀財産」として特別に承継されることが多く、誰が管理するかについては遺言や親族間の話し合いで決めることが一般的です。詳細な法的判断が必要な場合は、弁護士などの専門機関への確認を推奨します。

手元供養品を他人に譲る場合、遺骨そのものを含むか、遺骨を含まない記念品として譲るかで意味合いが異なります。また、宗教的感覚や家族の気持ちによって受け止め方が大きく変わるため、法律面だけでなく感情面や信仰面の配慮が欠かせません。

2. 手順・流れ（ある場合）

親族間で意向を確認する。
遺骨や手元供養品を誰に譲るのか、複数の遺族が希望していないかなどを話し合い、相続人や関係者の合意を得ます。合意内容はメモに残しておくと安心です。
遺言・祭祀承継者の有無を確認する。
遺言書や生前の希望がないかを確認し、祭祀を主宰する人（祭祀承継者）が決まっている場合は、その人の了承を必ず得ます。疑義がある場合は専門機関への相談を推奨します。
手元供養品の契約内容・規約を確認する。
手元供養品を購入したショップや業者の利用規約、保証書などを確認し、第三者への譲渡や転売の可否、遺骨の取り扱い方法が定められていないかを確認します。ネットオークションやフリマアプリでの売買は禁止されている場合が多く、社会通念上も望ましくありません。
譲渡方法と今後の供養方法を決める。
親族間で引き継ぐのか、信頼できる友人へ預けるのか、あるいは手元供養をやめて永代供養や合祀墓などへ納めるのかを決めます。譲り受ける側がどのように供養するかも事前に確認します。
必要に応じて専門機関に相談する。
相続人間で意見が割れている場合や、遺骨の取り扱いが適切か不安な場合は、弁護士、司法書士、自治体窓口、寺院などの専門機関へ相談します。法務・税務に関わる判断は専門機関への確認を推奨します。

3. 費用・期間・持ち物の目安

項目	内容	相場・目安
主な費用	手元供養品の名義変更手数料や再加工費（刻印の変更など）。	0〜3万円程度。
付帯費用	郵送・宅配費、対面での受け渡しに伴う交通費、永代供養や合祀を選ぶ場合の納骨料。	数千円〜20万円程度。
期間	親族間の話し合い開始から譲渡完了まで。合祀や永代供養に変更する場合は申込から納骨までの期間。	数日〜1か月程度。
持ち物	手元供養品本体、関連書類（保証書・購入証明書など）、本人確認書類、印鑑（書面を交わす場合）、埋葬許可証や火葬許可証の写し。	手続き先によって異なります。

地域・宗派・運営主体によって差があります。

4. 地域・宗派による違い

地域差：地域によって遺骨の自宅保管や譲渡に対する受け止め方や慣習が異なります。地域によって差があります。
宗派差：宗派によって遺骨や位牌の扱い、誰が祭祀を主宰するかについての考え方が異なります。宗派によって差があります。

不明点は寺院・霊園・自治体・専門機関への確認を推奨します。

5. 注意点とまとめ

手元供養の品を他人に譲る場合、まず相続人や親族全員の合意を得ることが重要です。祭祀承継者が定められている場合は、その人の意思を尊重する必要があります。合意形成が不十分なまま進めると、後日トラブルにつながるおそれがあります。

遺骨や遺灰を含む手元供養品は、通常の商品と同様に売買することは社会通念上望ましくありません。ネットオークションやフリマアプリでの売買は、遺族感情を傷つけたり、法令や規約に反する可能性があります。適切かどうか判断に迷う場合は専門機関への確認を推奨します。

また、手元供養をやめたい場合には、手元供養品を誰かに譲るだけでなく、寺院や霊園の永代供養墓や合祀墓へ預ける選択肢もあります。譲り受ける側の負担にならないよう、今後の供養方法を含めて話し合うことが大切です。

地域・宗派・運営主体によって内容や手順、費用は大きく異なります。不明点は必ず寺院・霊園・自治体・専門機関に確認してください。早めの準備と相談が安心につながります。

6. 次の行動

親族・喪主・関係者に、手元供養品の今後の扱いについて希望を共有する。
遺言や祭祀承継者の有無を確認し、寺院・霊園・役所（担当課）や専門家に相談する。
必要書類・費用を準備し、譲渡や永代供養・合祀への切り替えなど、選択した方法に沿って手続きを進める。

迷ったら、まずはお気軽にご相談ください。無料相談はこちら